英語の検定試験には様々なものがありますが、「英検」や「英語検定」と言う場合、それは公益財団法人:日本英語検定協会が運営している「実用英語技能検定」略して「英検®︎」のことです。基本的に「国家資格」と「民間資格」の中間に位置する「公的資格」として扱われます。「英検」は要するにブランド名なので、履歴書などに書く時は「実用英語技能検定」と正式名称で書きましょう。
同協会は他にも・・・・・
- 英検(実用英語技能検定)
- 英検Jr(子供の英語耳を育てる)
- 英検IBA(教育者用)
- IELTS(海外留学・移住用)
- BULATS(ビジネスマン向け総合英語)
- GCAS(ビジネスマン向けSpeakingテスト)
- TEAP(大学受験レベルの英語判定)
↑こんな感じで、いくつかテストを運営していたりもします。
ということで、今回は「日本英語検定協会の全体像」と「英検®︎」もとい「実用英語技能検定」の存在を知ったばかりの人で「なんか色々あるし・・・アタシ・・・どうなっちゃうの〜!?!?」なんて悩んでいる、全てのアナタへ。
↑具体的な話はコチラで!
(※スマホの人は右下の「INFO」から、いつでも目次が見れます)
まずは確認!日本英語検定協会とは?その概要
日本英語検定協会は、文部省の答申を受け1963年に設立されました。同年8月に第1回英検を行なってから、日本の「英検」の地位を築いてきました。
英検とは?
日本で英語の検定試験と言ったら「TOEIC」か、この「英検」が一般的によく知られていますね。正式名称は「実用英語技能検定」で、「英検」という通称を使って良いのは、この試験だけです。協会がブランド名として、商標を取得しているからですね。
いちばんゆうめい。いちばんすごい。
英検Jrとは?
「子供の英語耳を育てる」というテーマで行われる「リスニングのみ」のテストです。英語を聞いて、イラストに○をつけていくというものですね。合否ではなく正答率を通知して、成長をサポートしてくれます。グループ受験の「ペーパー版」、個人でも可能な「オンライン版」、学校が申し込んで実施する「学校版」があります。
こどもよう。つまり、こどもむけ。
英検IBAとは?
IBAは「Institution Based. Assessment」の略です。30名以上の団体のみ申し込み可能で、英検の良質な問題を厳選して出題することで、より低価格で、簡易に「だいたいどのくらいの英語力か」を測ることができます。団体で学習成果を確認したり、英検受験級の決定に役立てることができます。
だんたいようってことだから、だんたいむけ
IELTSとは?
英語能力140カ国以上で10000以上の大学、機関、団体に採用されている、国際的な「Standardized Test」です。その認知度、信頼から「英語圏への海外留学・在住ならIELTS」という地位を築き、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼすべての高等教育機関で認められており、アメリカでも、アイビー・リーグを含む3,000以上の教育機関で採用されています。開発・運営は「British Council」「IDP Education」「Cambridge Assessment English」という面々です。日本国内での運営を日本英語検定協会が手伝っているという形です。
がいこくにいきたいひとがうけるやつ
努力は認めるから、黙っててくれ
BULATSとは?
「The Business Language Testing Service」の略で、EUを中心に世界47カ国以上の企業や機関で採用されている、ビジネスコミュニケーションスキルの4技能を測るテストです。日本国内では、ケンブリッジ大学英語検定機構との提携の下、日本英語検定協会がより日本のニーズにマッチした形で開発、運営しています。現在は「オンライン受験のみ」で、原則「団体での申し込みのみ」となっています。
GCASとは?
「Global Communication Assessment for Business」の略で、ケンブリッジ大学英語検定機構との長年の協働経験から、日本英語検定協会が開発・提供している「対面型スピーキングテスト」です。2018年9月現在、個人受験にはまだ対応していません。(2018年度中に対応予定とのこと)。
TEAPとは?
「Test of English for Academic Purposes」の略で、外国語学部で有名な上智大学と日本英語検定協会が協力して開発しました。合否ではなくスコアで結果を出し、レベルは「英検準2級〜準1級程度」です。受験に利用されています。
いっぱいありすぎ!結局どれを受験すれば良いの?TOEICは?
大前提として、自分の目的に必要とされるものを受験すればOKです。試験は試験でしかないので。
ただ「測定する英語力の範囲」が被っているテストで、どっちを選べばいいの?という話であれば「提出する先の会社・学校が、提出を求めている方」を受験しましょう。「一般的にこの試験のほうが良い会社・学校に入れる」なんてことは断定できませんしね。
提出するのではなく、単純に「英語学習のモチベーションを高める」という目的なら、好きなものを好きなだけ受験しましょう。この世に存在する英語能力検定試験をすべてクリアした時、見える景色は…..ちょっと面白そうですねw
まずは確認!英検5級〜1級のレベルは?
というわけで「英検」には5級〜1級まで、合計7つの級が存在して、全て合否で判断されます。レベルをザッとまとめると・・・・・
- 1級 =「大学上級」程度
- 準1級=「大学中級」程度
- 2級 =「高校卒業」程度
- 準2級=「高校中級」程度
- 3級 =「中学卒業」程度
- 4級 =「中学中級」程度
- 5級 =「中学初級」程度
↑こんな感じ。もちろん、日本の英語教育の中学・高校・大学レベルということです。自分の学習歴と照らし合わせて、各級を活用しましょう。
英検の実施回数&日程・会場
英検は「年に3回」全ての級が同時に実施されます。日程は多少前後しますが・・・・・
- 第1回:6月(一次)、7月(二次)
- 第2回:10月(一次)、11月(二次)
- 第3回:1月(一次)、2月(二次)
↑コチラが通例となっています。で、試験会場が・・・・・
- 本会場:全国約230都市、400会場+海外4都市
- 準会場:団体受験申し込みで、団体が会場を用意
- 中学・高校特別準会場:概ね同上
↑こんな感じ。準会場受験だと受験料が400〜500円安くなります。ただし、1級と準1級は本会場のみです。2次試験は全級本会場のみです。また、4級、5級で希望者が受験できるスピーキングテストはオンラインでの受験です。
あと、1級の二次試験だけ会場が少なくて、札幌・仙台・横浜・東京・新潟・名古屋・京都・大阪・広島・福岡・那覇の11都市のみとなっています。
英検は2016年第1回から新形式問題
ちなみに、2016年第1回から、3級以外の全級で問題形式が変更=リニューアルされました。過去問や参考書を買う時は気をつけましょう。(特に1級、準1級、2級のライティングテスト。)
↑まあ大した変更ではありませんが。細かい変更点は、公式サイトでチェック!
本を買うときは、出版年月日をしっかり確認!
よくできました。
おまけに確認!新型英検とは?
「新型英検」というワードをニュースで聞いたかもしれませんが、大学入試をする人以外、全く関係ありません。今まで獲得した英検のスコアはずっと有効ですし、これからも今まで通りの英検を受験できます。
具体的には、「1次試験不合格者のスピーキング能力を測定しないことが原因で、大学入試英語成績提供システムに英検が使用できない」のが嫌だった日本英語検定協会が、入試に利用できるようなシステムを用意した、というだけの話です。
つまり、英検の問題内容・難易度が変更されたわけではなく、従来の英検やその獲得者には、なんの問題も起きない、ということです。ちなみにシステム上どんな違いがあるかというと、1日で4技能すべて測定する方式において「スピーキングが全級録音式」になって「2〜3級のライティングがタイピング式」になったりするようです。
スマホの時代でキーボードの是非が問われる中のタイピング式に、より正確な時間感覚が求められる録音式…..。どう捉えるかは、あなた次第です。 (個人的にはタイピングは歓迎だけど、Sは対面のが良いなあ。)
まあ、人力だと時間とか場所とかリソース的な限界があるから、仕方ないね。
おまけに確認!STEP英検とは?
STEP英検はもう、むしろ聞いたことない人のが多いかもしれませんが、一応書いておきます。
と言っても、日本英語検定協会の旧称が「The Society for Testing English Proficiency」で、それを略してSTEP、英検のことをSTEP英検と呼んでいただけですね。名前が変わっただけです。
今では国内の英語検定の中で確かな地位を確立し、「英検」という名前の商標も取ったので、無印の「英検」となったわけですね。
以上です!
おわり
おわり。
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