(当シリーズは、妥当性のある完成した言語学の理論やその研究等とは一切関係なく、単に「定義に書かれている違い」からポイントをチェックしつつ、個人的な図解をシェアするものです。故に、言い切りに近い形は「正しい」ことではなく「自分の中で確信している度合いが高い」ことを意味します。あしからず。主に「Cambridge Dictionary」「Merriam-Webster.com Dictionary」「ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY」を参考に作成しております。辞書からの引用の詳細は、記事の最後にあります。)
HACKengの「イメージ・イラストで覚える英単語・フレーズ」シリーズ。
今回は「tell / speak / say / talk」です。
日本語訳の丸暗記では、いつまで経っても
英語ができるようにはなりません。
イメージを掴みましょう。
(※スマホの人は右下の「INFO」から、いつでも目次が見れます)
えぇっ!?マジ卍な”tell / speak / say / talk”の解説だってぇー!?
Q. マジ卍?
A. はい。そうです。
- tell・・・・・「メッセージ(情報)を伝えること」に焦点
- speak・・・・・「話したり言ったりする(=音を出す)時の手段(形式)」に焦点
- say・・・・・「ただただ”発する”こと」に焦点
- talk・・・・・「双方向性」に焦点
(お先にまとめ。巷には業界の諸事情的なアレにより「”say”=”ことば”に焦点、”speak”=”音声を出す”に焦点」という異次元へグッバイしたりしなかったりしてる解説が多いんだかなんなんだかよくわかりませんが、「明らかに逆でしょ?」と思い続けた挙句、個人的にはもっと根元をイメージしたほうが勉強には良いと思っているので、その方向で分かりやすく解説してみた記事です。)
“tell / speak / say / talk”の違いを考えるポイントは・・・・・
賞味期限が切れた前振りは置いといて、”tell / speak / say / talk”の違いは何か。何より、”tell / speak / say / talk”の違いを考える時に、大切なポイントとは何か。
答えは、ズバリ「定義に書かれている使い方の(ほぼ)全てに共通するイメージを考えて、その違いをこそ比較してみること」です。
まあ別に「これは〇〇な時に使って〜〜〜!」みたいに解説するのも最悪ではないとは思いますが、それって自信を持って一番深いイメージまで考えた上で解説してあげないと結局丸暗記になっちゃうので、すぐに阿鼻叫喚の地獄に堕ちますよね。
↑そもそも日本語の「話す」「言う」「語る」の意味とは何だったかも(適度に)省みつつ、一緒に英語の辞書を読み解いてみましょう〜〜〜!!!
違いをチェック!”tell”の定義・使い方は・・・・
↑当シリーズでは基本的に全ての定義を引用して解説していますが・・・・今回は量が多いので少し省略して、ピンポイントで引用していきます。
↑”tell”は個別記事も書いていますが・・・・・
例文から、”tell”のイメージ・使い分けをチェック!
↑その意味を 1つのイメージにまとめるなら、とにかく「メッセージ(情報)を伝えること」に焦点があると言えます。(まあ、これに関しては日本内外で皆が解説してるやつですが。)
Demi Lovato – Tell Me You Love Me
↑たとえば「愛してるって言って」なら。まあ歌詞の言葉尻を捕らえるのはナンセンスだとも思いますが、これを言った人は単に「愛してる」って音を発して欲しいのではなく「何より、どうしても私が必要だって、そのメッセージを示して欲しい」みたいな、そういう話ですよね。
CAN YOU TELL ASIANS APART ?!?! – YORK UNIVERSITY
↑からの、”know“や”recognize“で言い換えられる「見分ける」という話なら・・・・・
“He’s Dutch.” “How can you tell?”
(引用:Cambridge Dictionary)
↑たとえば、それで「なんで分かったの?(どうやって判断したの?)」と聞かれた時に「いや、こうこうこういう特徴があったからだよ〜」と伝えることが出来る(言語化できるかは置いといて)からこその”tell”、みたいな。
She’s been under a lot of stress recently and it’s starting to tell.
(引用:Cambridge Dictionary)
↑”have an effect“と言い換えられる「ストレスが顔に出始めてるよ〜(=語り始めてる)」みたいな話なら「目が開ききってなくて、全体的にたるみがちで〜」とかいったサインが「ストレスたまってるよ〜〜〜〜!!!!」というメッセージを伝えてくる。だからこその”tell”とか・・・・・・
CAN YOU TELL ME WHATS WRONG?
↑日本人なら一度は”teach“と悩むだろう「ちょっと教えてくれない?」みたいな話が”tell“になるのは、そのちょっとしたメッセージを「伝える」だけの話だからこその、”tell“とか!
違いをチェック!”speak”の定義・使い方は・・・・
↑次に”speak”の定義ですが・・・・・これだと微妙に分かりにくい。ということで・・・・・・
■ “speak”の定義(transitive)
- 1a(1) : to utter with the speaking voice : PRONOUNCE
- (2) : to give a recitation of : DECLAIM
- b : to express orally : DECLARE
- c : ADDRESS, ACCOST especially : HAIL
- 2 : to make known in writing : STATE
- 3 : to use or be able to use in speaking
- 4 : to indicate by other than verbal means
- 5 archaic : DESCRIBE, DEPICT
↑Merriam Websterの定義(他動詞)も見てみましょう。全体として「話したり言ったりする(=音を出す)時の手段(形式)」にこそ、焦点があると言えますね。(この解説がマジで新しい)
例文から、”speak”のイメージ・使い分けをチェック!
↑つまり、こう。
Lesson 1 – Speak English Clearly! The Imitation Technique
↑まず「〇〇語を話す」なら、言わずもがな「〇〇語」という形式で話すことが言いたいわけですが・・・・・・
How to Fearlessly Speak Your Opinions | Robin Sharma
↑たとえば「あなたの意見を恐れず”speak”するには?」なら、”tell“のように「誰かに何か情報を伝えること」ではなく・・・・・・
Don’t swallow your words. If you’re in a restaurant and the service is mediocre, you’re a paying customer. you can speak to that server…. with great respect.
↑動画内から引用すると「飲み込まなくて良いんだよ。あなたの意見を、そのまま(サービス提供者に対して)言葉にして良いんだよ。ただし、リスペクトを持ってね。」みたいな、やはり「こう考えて、こういう形式で、言葉にしてみよう!」という話がしたいからこその”speak“とか。
Janet is speaking for the motion (= trying to persuade the people listening that the idea is good) and Peter is speaking against (it) (= trying to persuade them that it is bad).
(引用:Cambridge Dictionary)
↑そうして「話をする時の形式」にこだわったイメージを持つワードだからこその、”formal talk“と言い換えられる“speak for/against”(賛成/反対意見を述べる)みたいな使い方もありつつ・・・・・・
Action Speaks Louder Than Words (1990 Single)
↑「行動は言葉より雄弁だ」という決まり文句がありますが、これも「言葉ではなく行動」という「形式」にこだわった話だからこその”speak“ですね。Imagine!
ついでに「スピーカー」だの「スピーチ」だのもイメージ!
↑また、”public speaker“でも”English speaker“でも音楽の”speaker“でも・・・・・・全て「人前で話すのに良い形式で〜」とか「英語という形式で〜」とか「低音がブリブリするような形式で〜」とか、そういう話だったり・・・・・
↑日本語で「スピーチ」って言った時に一般的にどう思われるかは知りませんが、英語で”speech“を調べれば「話し方」だの「演説」だの解説される通り「形式」にこだわった話だったり。
違いをチェック!”say”の定義・使い方は・・・・
■ “say”の定義
- speak
- think
- give information
(引用:Cambridge Dictionary)
- 1a : to express in words : STATE
- b : to state as opinion or belief : DECLARE
- 2a : UTTER, PRONOUNCE
- b : RECITE, REPEAT
- 3a : INDICATE, SHOW
- b : to give expression to : COMMUNICATE
- 4 : SUPPOSE, ASSUME
↑そして”say”の定義がコチラ。
割とシンプルだと思うので、余計な前フリはナシにして・・・・・・
例文から、”say”のイメージ・使い分けをチェック!
↑まとめて図にすると、こんな感じになるでしょう。言ってみれば、ただただ「発する」ことを意味するのが”say“というワードだ、と。(これも新しい。)
He said, “you’re amazing” (oh)
She said, “then why you waiting?” (ooh)
↑たとえば「彼は”you’re amazing”って言った」からの「彼女は”then why you waiting?”って言った」とかなら。なんかポンポン進む勢いみたいなのが感じられますが、それは”say”自体が単に「〜〜〜」っていう音を発したよ、と言っているからに過ぎないというか・・・・・・
How to Say WATER — American English Pronunciation
↑だからこそ”pronounce“に言い換えられる「“water”という音を発するには?」という話が出来たり。
people say i’m the best sniper in the world
↑で、微妙に良い例が見つかりませんでしたが(w)”people/they say….“と言えば「みんな(≒ 一般化された人々)〜って言ってる」からの「〜だそうだ」みたいな話。
からの”think“に言い換えられるわけですが、これも「思っていること」をノータイムで、そのまま声に出したり、文字にしたり、仕草で示したり(=発する)からこその、”say“ですね。
My watch says three o’clock.
Can you read what that sign says?
(引用:Cambridge Dictionary)
↑そして”give information“に言い換えられるパターン。たとえば「俺の時計が3時って言ってる」からの「3時を示してる」とか、後者なら「あのサイン(標識、看板)が何て言ってるか(に何て書いてあるか)読んでくれない?」なんて、日本語でも言いますが・・・・・
↑イメージしてみれば、まさに「発する」以外の何モノでもないと分かるでしょう。
まあ”tell”なら「何かメッセージ(情報)を伝える」からの、聞き手がそれに向き合って、受け取るところまで含んだノリが感じられるわけですが・・・・・”say“には、そういうのナシ。
時計や標識が何を言って(示して)いようが、別に見なければ何も伝わってこないし、それを咎められることもないし・・・・・・ただただ発しているだけだ、みたいな!
ついでに名詞の”say”もイメージ!
Keep quiet for a minute and let me have my say.
(引用:Cambridge Dictionary)
↑あと名詞で使って「ちょっと、俺の意見も言わせてくれよ」とか。これも、別に「話し方」だの「伝えて、受け取ってもらう」だのに話の焦点はなく、ただただ「分かった分かった〜〜〜〜!!!!とりあえず、俺の意見を出すターンをくれよ〜〜〜〜!!!」という話のはず!
違いをチェック!”talk”の定義・使い方は・・・・
■ “talk”の定義(intransitive)
- say words
- discuss
- lecture
(引用:Cambridge Dictionary)
- 1a : to express or exchange ideas by means of spoken words
- b : to convey information or communicate in any way (as with signs or sounds)
- 2 : to use speech : SPEAK
- 3a : to speak idly : PRATE
- b : GOSSIP
- c : to reveal secret or confidential information
- 4 : to give a talk : LECTURE
↑最後に、”talk”の定義がコチラ。
これもシンプルに、”exchange“だの”communicate“だの”lecture“だのある通りなので、前フリは省略して・・・・・・
例文から、”talk”のイメージ・使い分けをチェック!
↑とりあえず「双方向性」がイメージできるのが”talk“だ、と考えてあげれば OK。(これ自体は”tell”と同様、全くもって新しくないけど)
How To Talk To People – Start A Conversation With Anyone
↑たとえば”talk to people“なら「話しかける」と訳せそうですが・・・・・・・
上述の”speak to〜“が「金を払ってる客として、しかしリスペクトを忘れずにサービスへのフィードバックを伝えてあげよう」という話だったのに対し、これはタイトルにも”start a conversation“とある通り「話しかけて、会話をする(ある程度続ける)」ことが言いたいからこその”talk to“とか・・・・・
MATT VON RODERICK – LET THE TRUMPET TALK [OFFICIAL Mix & Video] w/ The Identifiers
↑これなら「トランペットに”talk”させる」というタイトルの通り。ドロップ的なとこでトランペットを吹き殴っていますが、”convey information or communicate in any way“のやつですね。
なんか絶妙に訳せないので解説に迷いますが・・・・・とにかく「トランペット(によって奏者)の気持ちがわかる・・・・・・分かるぞ・・・・!!まるで通じ合ってるかのようだ〜〜〜〜!!」みたいな、そういう話になることは明らかですね。であれば、”talk“がぴったり。
Programming your mind for success | Carrie Green | TEDxManchester
↑あと「TED」の”Talks“ってありますが、これは別に”speech“ではない、とか。(もちろん明確に線引きするものでもありませんが・・・・・基本として!)
それが何故かと言えば、基本的に”speak“のように「形式」に焦点がある登壇ではなく、もっと気楽に「〜が〜なわけですが、〜ですか?みなさん。〜ですよね! なので、つまりは〜〜〜〜〜〜〜」みたいに、ちょこっと語りかけて反応も伺い(=”communicate“)ながらの「1人ディスカッション(=”discuss”)」的な、そういう登壇だから・・・・・みたいな!
その他の類義語や、言い換えの示され方もイメージ!
■ “tell”の言い換え・類義としてヒットする系
- narrate
- say
- divulge
- reveal
- disclose
- betray
- inform
- order
- direct
- recognize
- count
- enumerate
■ “speak”の言い換え・類義としてヒットする系
- talk
- converse
- signal
- appeal
- testify
- pronounce
- declaim
- declare
- address
- accost
- state
- describe
- depict
■ “say”の言い換え・類義としてヒットする系
- state
- declare
- utter
- pronounce
- recite
- repeat
- indicate
- show
- communicate
- suppose
- assume
- speak
- articulate
- bring out
- enunciate
- pass
- talk
- tell
- verbalize
- vocalize
■ “talk”の言い換え・類義としてヒットする系
- speak
- prate
- gossip
- lecture
- utter
- discuss
- declaim
- descant
- discourse
- expatiate
- harangue
- orate
Merriam-Webster.com Dictionaryから、ザッと一覧にしてみるとこんな感じ。今回解説した基本的な、根本とも言えるイメージを前提に「どうして、こうした(類義語の)分担になっているのか」を考えてみてください。
たとえば「ただただ発すること」という、他の土台となるようなイメージの”say”には、”tell・speak・talk“だけでなく、もっとも多くの類義語がヒットすることだったり、”speak“は「音を出す時の形式」からの「音を浴びせる相手」に意識があると言えるから、”talk“の言い換えとしてヒットすることだったり。
そうしたことイメージし続けながら、実際にネイティブが英語を話したり、書いたりするのをインプットし続けることによって、いわゆる英語の運用能力とやらに習熟することができるでしょう!
Imagine!
(宛先不明の)謝辞
以上です。”yet”の時は1%くらいコジツケも混ざった感がありましたが、今回の解説は非常に論理的なものになったかと思います。
言葉の意味は状況にしかないので、下手に「「「定義」」」だの「「「意味」」」」だのをワード自体に求めてウニャウニャ考えてしまうと・・・・・・・・・・まあ、この記事のような解説にはならないでしょう。
こういうサイトを作っていると、とりあえず読者の、本当に「英語が使いこなせるようになりたい!!!!」と望んでいる無垢な英語学習者のみなさんには、いろいろと気をつけて欲しいな、と思うばかりです。
おわり。
↑「あらゆる単語の図鑑があればな〜〜〜!!」という子羊へのオススメ。
↑いわゆる「「「文法」」」を日本語で網羅しとくならコレでOK。
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辞書からの引用の詳細
本記事には、Cambridge DictionaryおよびMerriam-Webster.com Dictionaryからの、定義又は例文の引用が含まれます。
- “Tell.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/tell. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Speak.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/speak. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Say.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/say. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Talk.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/talk. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Tell.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/tell. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Speak.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/speak. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Say.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/say. Accessed 12 Jul. 2019.
- “Talk.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/talk. Accessed 12 Jul. 2019.
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