5年前とか、10年前とかでしょうか。
「英語と日本語の周波数が重なっていないから、日本人に英語は難しい」
みたいな話が流行っていたようです。
が、どうやら今日まで、日本のネットでは「周波数とか知らねえよ!自分は聴けてます!そんなの関係なく聴けている人はたくさんいます!だからどうでも良いはずです!こういうやり方がオススメです!」と、けっきょく周波数の話をしていない記事ばかりらしく。
まあそれ自体には完全に同意なんですが、とは言え「けっきょく周波数の話はどうなの?」なんて思ってしまいます。これってトリピアになりませんかね?
↑このトリピアの種、つまりこういうことになります。
「全人類にとって全人類の言語の周波数の違いなんて誤差でしかないだろうから慣れれば良いだけだけど、実際に解析してみた結果“〇〇(ンァー!!!)な人の〇〇(ンフー!!!)な声が〇〇(ンンンンキェー!!!)な周波数”になる」
(↑コチラの記事では「音量を上げると細部が聴き取りやすくなるから、リスニング・英語学習には高音がキンキンしづらいヘッドホン・イヤホンがオススメだよ〜」と紹介しましたが「で、どんな人の英語で、どのあたりの周波数に気をつけて細部を聞き取ればいいの〜〜!?」と思った人へ向けて、まとめます。)
後半では英語、日本語の母音のみを解析してまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
真面目な話「低い周波数が〜高い周波数が〜」というだけの認識だと悪い影響が無視できないと思うので、今回のまとめを活用して「こういうタイプの声だと、ここらへんの周波数のこの感じが個性で、こっちらへんの周波数を一般化して考えるべきなんだな〜」くらいに認識しておけると、なかなか良いと思います!
↑コチラも合わせて!
↑お先にオススメの本を紹介。今回見ている周波数グラフの一歩手前、つまり音声信号の波からチェックしていきたい人へ。フーリエ級数・展開・変換に関する、とても分かりやすい本です。
(※スマホの人は右下の「INFO」から、いつでも目次が見れます)
そもそも、周波数とは?帯域?
↑「そもそも周波数とは?帯域とは?」という人のために。まずはコチラの動画をご覧ください。
↑そしてコチラが、上の動画で米軍側男性の音声の周波数を解析してみたものです。「~100Hz、3000Hz~」の帯域がバッサリとカットされていて、その結果トランシーバーやラジオ、古い固定電話のような音声に変わるのだ、と分かります。
↑で「いや、だから周波数ってなに?」という人のために、もう少し解説すると、つまりは「音の高さ」を決めるのが、今回言っている周波数です。みんな学校で1秒間に繰り返す波の回数みたいなのを習ったかと思います。
↑「いや、忘れたけど?」という人は、関西電力のホームページでもどうぞ。まあ音波ではなく電波の話ですが、とにかく波の話です!
周波数が簡単に見れちゃうスマホアプリSonic Tools SVM
↑ちなみに、たとえば「Sonic Tools SVM」とか、簡単に周波数が測定できるスマホアプリもあるみたいですね。スマホのマイク使ってる分には、あくまで参考程度って感じですが。普通に便利。
この記事でまとめている周波数の例を参考にしつつ、ぜひ自分の声の周波数をチェックしてみてください。客観しながら、トレーニングを続けましょう!
日本語に対して英語の周波数は高いって嘘なの?その他の言語は?
- 日本語の周波数は「125~1500Hz」
- アメリカ英語の周波数は「1000~3000Hz」
- イギリス英語の周波数は「2000~12000Hz」
- フランス語の周波数は「125~250Hz、1000~1700Hz」
- ロシア語の周波数は「125~8000Hz」
↑で、ひと昔前に流行った各言語でメインとなる周波数帯域がコチラです。この情報から「日本語と英語は全然違う!イギリス英語に至っては全くかぶっていない!」と恐れおののき、喧伝し、人々に恐怖を与え、日本人の「英語アレルギー」を更に悪化させ・・・・・
・・・・なんて話はどうでも良いんですが。最近知って「色々どうでも良いけど、記事のネタになるなぁ」と思ったくらいでございます。
人はどのくらいの周波数が聴けるの?
というのも、上のWikipediaの図にも書いてありますが、人は普通20Hz~20,000Hzまでを聴くことができるからです。歳をとると高い音が聴こえなくなってきますが、それでも10,000Hzくらいまでは全然聴けると言われています。(モスキート音による若者退治はそこを利用したもの)
じゃあ各言語の周波数ってなんなの?と言ったら「日本語だったら普段125~1500Hzをメインに”言語”として扱うから、その他の周波数に対しては”あ、雑音だな〜”と認識してしまうよ〜」というだけの話です。
(まあ、たぶん。誰のどんな研究なのか知らないので何とも言えないんですが…w)
というわけで、難聴は別として「結局なにも気にせず、慣れれば良いだけ!!!」という結論になるので、こんな話はサッサと終わって、実際のネイティブたちの周波数をチェックしまくっちゃいましょう!
(まあ、動画で撮ってアップしてココに貼る・・・・という作業は面倒なので一瞬の周波数をスクショで切り取ったモノのみの紹介になりますが。なんとなくの傾向は分かると思います。)
ちなみに、高周波系のアプリは?効果あるの?
あと、なんか「〇kHzの高周波音声を聞き流しまくれば〇〇日で奇跡が起きて、英語が聞き取れるようになる!」みたいなアプリとか、いろいろあるみたいですが・・・・英語の勉強なら「普通の英語学習をより効率的に、より気分良く進めていくぞ〜!」みたいなサポート、プラシーボくらいに考えればOKかと思います。
(そういうアプリとか、個人的に好きです)
ネイティブ英語の周波数の違いを簡単に解析してみる①:女性編
というわけで、まず女性のネイティブ英語を解析していきましょう。
↑まず「サ〜〜〜〜〜〜」みたいなノイズが聞こえている場合、こんな感じの形で出てると思ってください。その上に声の周波数をイメージすればOKかと。
ネイティブ英語の周波数の違い①-①:バイリンガールChikaさん
↑「from」の部分です。バイリンガールChikaさんは英語でも日本語でも、女性らしくも芯のある声をしてらっしゃいますが、その芯が「200Hz」にクッキリ出てますね。
と、まあ録音した機材とか最終的な音量にも左右されるんですが、こんな感じでユルユルの解析を紹介していきます。なんとなく「あ〜、こういう声だと全体的にこんな感じになるのか〜」という参考にでもしてください!!!
ネイティブ英語の周波数の違い①-②:Madeleine Harveyさん
↑「again」だったか「calm」の部分だったか曖昧ですが、なんかそこらへんの周波数です。
ネイティブ英語の周波数の違い①-③:JennaMarblesさん
↑「so~~」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い①-④:Ava Roseさん
↑「I mean」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い①-⑤:Rachel’s Englishさん
↑「annual」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い①-⑥:Jaiden Animationsさん
↑「Get over」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い②-⑦:InquisitorMaster – My Gameplays are Kinda Funnyさん
↑「Hi〜」の部分。(なんか変なのが出てるのは70Hzより下らへんのノイズがうるさくてカットしたからです。)
ネイティブ英語の周波数の違いを簡単に解析してみる②:男性編
というわけで周波数のユルユル解析、男性編もどうぞ。
ネイティブ英語の周波数の違い②-①:Hapa英会話さん
↑「recollection」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い②-②:aanghelさん
↑「there are」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い②-③:Dr Sam Robbinsさん
↑「GRANTED」の部分。
ネイティブ英語の周波数の違い②-④:Stephan Erdman – Authentic Gameさん
↑たぶん「you wanna get that」の部分だったと思われます。
ネイティブ英語の周波数の違い②-⑤:PewDiePieさん
↑「problem is」の部分です。
ネイティブ英語の周波数の違い②-⑥:Vsauceさん
↑「helicopter」の部分的なやつです。
ネイティブ英語の周波数の違い②-⑦:CrashCouse(Philosophy)さん
↑「beasts」の部分です。
ネイティブ英語の周波数の違いを簡単にチェックしてみる③:母音編
↑コチラの動画を参考に、英語で主な母音の発音の周波数も見ていきましょう。
これは、それぞれの発音の仕方(口の中での響かせ方とか、喉の使い方とか)をググって比較してみると、なかなか面白いんじゃないでしょうか。
英語の母音の周波数①
↑たとえば「PART」の「あ」なら。
700〜1kあたりの音がメインになりつつ、3k〜4kあたりの音もしっかり出ている感じ。
英語の母音の周波数②
↑で「CAT」の「あ」なら。
「PART」の「あ」では谷になっていた、1k〜3kあたりの音がしっかり入ってきてますね。そういう響かせ方を心がければ良い、とか。
英語の母音の周波数③
↑そして「BUT」の「あ」なら。
まあ録音されたサンプルにもよると思いますが、上記2つに対しては比較的、中音域〜高音域の音量が小さくなっていますね。それによって相対的に、100〜300あたりの低音がしっかり聴こえてくる。そんな風に捉えられるんじゃないでしょうか。
なので、言ってみれば響きがない感じというか、上述の「あ」たちと比べて短めに発音しつつ、声で軽くキックとスネア(ドラム)の間の音を出してみるとか・・・・・・そんな感じ?
英語の母音の周波数④
↑そして「AMERICA」の「あ」というか「シュワ(曖昧母音)」なら。
他の「あ」と比べたらですが、全体的に平らになっていますね。つまり特徴がない、故に「曖昧」という言葉もつかわれるんだぜ〜〜!・・・みたいな。
英語の母音の周波数⑤
↑「SIT」の「い」です。
英語の母音の周波数⑥
↑「MEN」の「え」です。
英語の母音の周波数⑦
↑「SORT」の「おー」です。
ところで、日本語の周波数の違いも簡単にチェック!
と、英語の周波数はこれくらいにして、日本語の周波数もチェックしてみましょう!
バイリンガールChikaさんの日本語の周波数を解析
↑「あ〜、ほんとに〜|」の部分です。
Hapa英会話さんの日本語の周波数を解析
↑「今日一つ目の〜」あたりだったと思います。
キズナアイさんの日本語の周波数を解析
↑「こうはく」の部分です。
(あとHIKAKINさんも解析したかったんですがBGMとSEが完備されすぎてて無理でした( ̄  ̄))
日本語の5つの母音の周波数もチェック!
はい。簡単にまとめてみましたが、最後に日本語の母音もチェックしておきましょう!5つの母音を高低の2パターン。
(地声は低い男で、裏声には芯がない感じです。)
低い「あいうえお」の周波数
↑低い「あ」
↑低い「い」
↑低い「う」
↑低い「え」
↑低い「お」
高い「あいうえお」の周波数
↑高い「あ」
↑高い「い」
↑高い「う」
↑高い「え」
↑高い「お」
おわり。
いや「おわり。」って、結局どういうことなん?
「おわり。とか言って結局どういう傾向があるのかとか全くわからないんですけど???」という人へ。
完全に同意です。
はい。なので・・・・・
「周波数とか知らねえよ!自分は聴けてます!そんなの関係なく聴けている人はたくさんいます!だからどうでも良いはずです!こういうやり方がオススメです!」
という感じです。現場からは以上です。
(↑「もう少し詳しく調べたい!」という方へオススメの本。「あいうえお」のフォルマント周波数の幾何学的な対称性が、4章「スペクトルと音声」にてまとめられています。フーリエ級数・展開・変換についてを学びながら!)
(そして何より、自分の声を録音してジックリ聴いてみて「あ〜、なんとなく、もう少しこういう声を出してみると良い発音に聞こえそうだな〜〜〜〜〜」って考えるのが一番大切だと思います。)
おわり。
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