従来、日本社会で一般的に言われる「TOEIC」とは、TOEIC®︎Programの中の「TOEIC Listening and Reading Test」のことです。読み聞きの能力だけを測るテストですね。
で、実は、TOEICには他にも「TOEIC Speaking and Writing Test」と「TOEIC Bridge Test」があったりするんですが・・・・・
従来、日本社会で「英語できそう」と思われて「就職に必要」なのは、L&Rテストであることが多いです。ちなみにカタカナなら、トーイックとかトーエックとか言っておけばOKです。
↑具体的な話はコチラ!
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TOEICとは?種類はあるの?
TOEICとは、Test of English for International Communicationの略で、日本語にするなら国際コミュニケーション英語能力テスト。
日本では、一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC:The Institute for International Business Communication)が公開テストを実施していて、個人による受験に加え、約3,600の企業・団体・学校が採用し、2017年度の受験者数はL&Rだけで約248万人。
全テストを合わせた世界全体では、現在160カ国以上に広がり、年間700万人が受験しているとのことですが、一応言っておくと、その大半は日本人と韓国人で占められています。後でTOEFLとIELTSとの比較も書きますが「アジアのマイナーテスト」と揶揄されることも少なくありません。そうした事実を認識することは大切です。
テスト開発・制作はアメリカのETSという非営利テスト開発機構
TOEICテストは、日本のIIBCの発案で、ETS(Educational Testing Service)という世界最大の非営利テスト開発機関によって開発、制作されています。留学の際に提出を求められるTOEFLや、全米大学入学共通試験のSATを開発しているところです。
TOEIC Listening and Reading Testとは
TOEIC L&Rは「実際のコミュニケーションに必要な能力を客観的に評価し、併せてその評価を目標設定にできる世界共通のモノサシをオリジナルで開発すること」を命題として開発され、1979年にスタートしました。
身近なシーンからビジネスまで、コミュニケーションに使う英語(の基礎)について、読み聞きができるようになるテストですね。今回はこの試験のまとめです。「試験の基礎知識」のところで詳しくまとめていますが、受験料は5,725円(税込)。
TOEIC Speaking and Writing Testとは
TOEICテストを開発、制作しているETSが「国際的な環境におけるコミュニケーションで使われる英語」について行っている様々な調査・検証のもと、2007年1月にスタートしたのが、TOEIC Speaking and Writing Testです。現在、日本では年間約30,000人以上が受験しています。
最初のうちは「L&Rを測れば、S&Wの能力の評価にもなる」としていたようですが、よりグローバル化が進むに連れ、それを批判する専門家がでてきて、開発に至ったという経緯らしいです。「英語で考え、英語でアウトプットする能力」を、PCを使ってテストします。受験料は10,260円(税込)。
TOEIC Speaking Testとは
TOEICのSpeakingテストだけが受験できる形式です。約20分で11問、パソコンを使用して受験します。
ライティングもあると敷居が高いのか「スピーキングだけ受けたい」という要望が多々あり、2016年1月にスタートしました。受験料は6,804円(税込)
TOEIC Bridge Testとは
TOEIC Bridge Testは、TOEICのL&Rテストに対して、「まずは日常的なシーンで、コミュニケーションする英語能力を身に付けたい人」向けに開発された、もっと基礎的な英語能力試験です。2001年にスタートしました。
Bridgeという名前には、L&R試験への架け橋という意味が込められています。L&R試験が難しいと感じる人は、モチベーションを高めるためにこちらのテストから始めてみましょう。現在、日本では年間約180,000人以上が受験しています。受験料は4,320円(税込)
TOEICの難易度・英語力のレベルは?
英語の検定試験が初めての人なら、他の試験と比べて「TOEICの難易度・レベルはどのくらいなんだ?」なんて気になりますよね。
というわけで、はっきり結論を言うと【TOEIC <<< TOEFL ≒ IELTS】という図式です。もちろんTOEIC L&R+S&Wで比べた場合。L&Rだけなら【TOEIC L&R <<<<<<超えられない壁<<<< TOEFL ≒ IELTS】といった感じになるでしょう。これは100%覆らない事実です。
なのですが、当然「TOEICが劣っている」とかそういうことではありません。ただ「TOEICはビジネスの現場、日常で使える英会話=コミュニケーションの”基礎”を測るもの」であり、「TOEFLやIELTSは海外の大学に留学して、英語で学問を学ぶ能力を測るもの」というだけの話です。そして、2技能のテストと4技能のテストを比べることは不可能。
もしあなたが「TOEICは劣っている。しょうもない試験だ」とか感じるなら、それは「英語力とはなんぞや」という部分が分かっていないかもしれません。
↑当サイトでは、ロードマップタグの記事などで「英語学習の全体像」を解説しているので、ぜひ参考に!
TOEICテストの活用方法
TOEICテストはキャリアアップに使ったり、就職を有利にしたり、進学や単位認定に利用したりできます。自分の目当ての学校・会社がどのくらいのレベルを求めているのか、チェックしましょう。その他、通訳案内士の筆記試験免除にも使えたり、ボランティア採用を勝ち取ることにもつながったりします。
ただ、TOEICテストは英語力の証明として働くのであり、英語学習の目的は「英語を実際に使っていくこと」であるのを忘れてはいけません。
これらの試験はあくまで、英語学習の中で「モチベーションを高めるもの」「英語力の証明」として利用しましょう。「英語を使うこと」こそが「あなたのやりたいこと、夢を叶える手段」であるはずです。
TOEIC(L&R)試験とは?概要まとめ
- 問題文:すべて英語
- 試験方式:マークシート方式
- 問題数:200問(リスニング100問・リーディング100問)
- 傾向:ビジネス会話・日常会話の英語
- 制限時間:2時間(リスニング45分・リーディング75分)
- 結果:合否ではなくスコア(10〜990点)
- 平均スコア:560〜580点前後
- 公式認定証の発送:試験日から30日以内
- 実施回数:1年に10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)
- 開催地:全国約80都市で実施
- 申し込み方法 インターネット コンビニ端末
- 受験料(公開テスト):5,725円(税込)
↑というわけで、リスニングとリーディングの能力を測る、いわゆる「TOEIC」の概要がコチラ。まあ、なんてことないマークシート試験ですが、ちょっと気になる部分を少し解説しておくと・・・・・
インターネットから申し込むとお得
インターネットから申し込むと受験料が安くなる場合があります。詳しい申し込み方法は↓こちらの記事でまとめています。
TOEICの採点方式とは?
スコア形式だときいて「違う回のスコアはどう比べるんだ?」と思った方もいるかもしれませんが、安心してください。TOEICの採点はEquatingを通して行われています。
具体的には、以前に出題された問題のごく一部を必ず新しい問題の中に織り込んだり、なんやかんやすることで、スコア基準の不変性が確保されています。
単純な正答数による素点ではなく、Equatingによって換算点に置き換えられるので、過去のテストと新しいテストのスコアを比べて、自分の英語力の成長を測ることができます。ちなみに、この採点方法によって「全問正解しなくても満点」なんてことも起きます。
TOEICスコアレポート・公式認定証(証明書)の有効期限は2年間?→間違いです。
「TOEICの有効期限は2年間」ときいたことがあるかもしれませんが、それは間違いです。スコアの証明に有効期限はありません。これは「スコアレポート・公式証明書の再発行は、試験日から2年以内のものに限る」という規定を勘違いしたものだと思われます。ただ、古い証明書しかないと「今も英語力落ちてないのかな?」となったりして、結局別の方法でも証明する、ということはあるでしょう。
IPテスト(団体受験)とは?公開テストとの違い
IPテスト(ITP:Institutional Testing Program)といって、企業や学校など団体で受験する制度もあるんですが、ポイントは
- 受験料が安い(税込4155円)
- 公式認定証ではなくスコアレポート
- 結果の発送予定日が早い(テスト資材受領から5営業日)
こんなところです。特に2つ目なんですが、IPテストのスコアレポートではなく、公開テストの公式認定証を求める企業もあるようなので、企業に提出する目的で受験する場合は、注意して確認しましょう!
おわり。
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