(当シリーズは、妥当性のある完成した言語学の理論やその研究等とは一切関係なく、単に「定義に書かれている違い」からポイントをチェックしつつ、個人的な図解をシェアするものです。故に、言い切りに近い形は「正しい」ことではなく「自分の中で確信している度合いが高い」ことを意味します。あしからず。主に「Cambridge Dictionary」「Merriam-Webster.com Dictionary」「ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY」を参考に作成しております。)
HACKengの「イメージ・イラストで覚える英単語・フレーズ」シリーズ。
今回は「”元大統領・前大統領”の英語の違い、使い分け」です。
日本語訳の丸暗記では、いつまで経っても
英語ができるようにはなりません。
イメージを掴みましょう。
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「元大統領」と「前大統領」の英語。違いを考えるポイントは・・・・・
英語を学習している日本人なら、一度は悩んだことがあるでしょう。「元大統領」と「前大統領」に使える英語の違いは何なのか。
何より「元大統領」と「前大統領」の違いを考える時に、大切なポイントとは何か。
答えは、ズバリ「日本語的な思考回路を省みつつ、英語の単語の区分け(慣習として、似ている単語がどう役割分担しているか)を知ること」です。
こういうのは複雑に考えた時点で地獄に堕ちます。じゃあ「複雑に考える」とは何かと言えば、自分の知っている限りの日本語と、それによって形成されているアナタの全てを、無意味に肯定することです。
大切なのは、いつも文脈。今回はそこらへんを重点的に、伝えていきます。Imagine!
まずは日本語と英語の思考回路の違いを考えてみよう
↑と言っても、短くまとめたいので「元〇〇」「前〇〇」と言いたい時に思い出しそうな単語については、コチラにまとめた通り。細かい説明は省きまして、注目すべきは”former・past・ex・last“あたりになります。
で。
日本語で「元大統領・前大統領」って言いたい時って、いつ?
↑まず日本語から。定義を見ると「前」が「いまより 1つまえの」を表す中で「元(≒ 旧 ≒ 故)」は「以前」なので、本来「1つ前も含んだ、以前のみんな」だということですね。
で。
↑問題は、実際どういう話がしたい時に「元大統領」を使って、どういう話がしたい時に「前大統領」を使うのか、というポイントです。Googleで「元大統領」と「前大統領」を調べてみると・・・・・・・
正直、分からない。(ここに同意できない人は、普通に英語の使い分けだけ見て頂ければと思います!)
まあ分かる人がいたら申し訳ないんですが、ちょっと個人的には「前と元があるけど・・・・・まあ、1つ前だったらとりあえず前って言っときゃいいや!」くらいに見えます。そっちを使う必然性がないというか。
↑たとえば、この「前大統領とランチ」なら、別に「元大統領とランチ」と言っても、何の問題もありませんよね。むしろ「いや、オバマさんはいつまで前大統領なんだよ」みたいな話にもなりかねないというか。
・・・・・・というような思考回路を省みると、英語のワードチョイスの違いも分かりやすくなるでしょう。
もちろんオバマ大統領の頃から安倍さんは総理大臣ですし、メディアの気持ちもあるだろうと思います。が、英語学習においては、そういう感覚が邪魔になります。日本の慣習が間違っていて、英語の慣習が正しいとかではなく、それらを対訳にすることが不可能だという話です。
ここまでにそれが伝わったとして、これ以上日本語を掘っても仕方ないので、サッサと英語を見ちゃいましょう!
違いをチェック!「元大統領・前大統領」の英語をマスターしよう
で、先に結論を言ってしまうと・・・・・・
大雑把に言って、英語では「前大統領」という言い方をする、その言い回しを使いたいと思う機会がないと思って良いんじゃないでしょうか。
基本は”former”で「元大統領」のみんなを表そう
PIPE bombs have been sent to Barack Obama, formally left office in January 2017 when he handing over the reins to President Donald Trump. ——– What has the former President been doing since leaving the leaving the White House? Here’s our guide.
↑たとえば、最初の文で「オバマさんは〜」と具体的な名前を出してからの「この”元大統領”は〜」という流れとか・・・・・
There are currently four living former U.S. presidents. Three of the former presidents have a presidential library where you can view important historical documents and explore interactive online exhibits.
↑「存命の”元大統領”には4人いて、そのうちの3人(の元大統領)は〜〜〜〜」みたいな流れとか・・・・・
The former chairman of President Donald Trump’s 2016 campaign, Manafort is charged by state prosecutors with 16 felony counts, including residential mortgage fraud and falsifying business records.
↑もちろん大統領じゃなくても「2016年のキャンペーンの〜」と具体的に示した上での、”the former chairman“とか。
そして・・・・
「前大統領」ではなく「前任者」からの”predecessor”でOK
Trump, who has made reversing everything his predecessor Barack Obama did a cornerstone of his own presidency will not like the comparison —
↑「前大統領」ではなく「前任者」という言葉もあり。たとえば、この「トランプ大統領は、前任のオバマさんがやった全てをひっくり返してきた〜〜〜〜」という例から分かるように・・・・・・・
現大統領と比較する話がしたいんだったら、”前大統領”以上にふさわしい”前任者”という言葉があるので、それを使うとか。
The push for a border barrier marks President Donald Trump’s fourth declaration of a national emergency—about a third as many as his three immediate predecessors in their two terms.
↑”immediate“を付けて「直近の前任者たち3人〜〜〜」とか。これもトランプさんとの比較がメインの話ですね。
そうじゃなく、もし「オバマさんは”前大統領”です」と、オバマさん自身の話がしたいんだったら、”former“を使った上で「オバマさんは〇〇(いつ、どこ、何、etc…)の”元大統領”だ」みたいに言えば良いし〜〜〜〜、とか!
↑時には、”….who served as the 44th president of the United States from 2009 to 2017.”なんて、動詞で言ってみたり。こういう思考回路を学ぶことこそが、英語を学ぶということですね。Imagine!
加えて、”past”を使った「元大統領」のニュアンス
結局長くなってきてますが・・・・・あとはコチラで解説した通り!
Learning from past presidents – Doris Kearns Goodwin
↑これなら・・・・・
so indeed I have spent my life looking into the lives of presidents who are no longer alive….
↑ちょうど動画の冒頭で「もう生きてない大統領〜〜〜」と言っていますね。
まあ「大統領」であれば、今アメリカの「元大統領」で存命の人が 4人だけという話からも分かる通り、具体的に使う時に区別したいのは「前 vs 元」ではなく「存命 vs 故人」である時も、少なくないでしょう。
そんな感じで、別に必ずしも亡くなっている必要はありませんが(w)「過ぎ去った・終わった」感を伝えるのが、”past“というワードです。
The Immediate Past President provides advice and leadership to the Board of Directors regarding past practices and other matters to assist the Board in governing the Association
↑たとえば、”immediate past president“と言えば「過ぎ去ったばかりの」感からの「ついさっきまで”president”だった人」からの「組織における、新しい”president”を(一定期間)サポートする役職」のことだったりもします。
↑あと政府に限らず、どういう組織がどういう気持ち(あるいは無意識で)「元”president”」の一覧ページに”past presidents“を使っているのか、”former presidents“を使っているのか、はたまた別の言い方か・・・・・・・なんてググりながら考えてみると、面白いですね。
カジュアルに”ex”を使った「元大統領」のニュアンス
↑やはり詳しくはコチラって感じですが・・・・・
↑特に”out of“からの「もう〜でない」感による「元大統領」と言いたいパターンで使えるのが、”ex”です。「元カノ」とか「元彼」と同じ要領ですね。
“The ex-president has no time to react to lies and smear campaigns. He is a very respectable God-fearing and pious leader who has nothing but respect for our Gambian women,” the deputy APRC leader said.
↑もちろん、それは否定的な意味やニュアンスを帯びて使われたりもするでしょうが、基本的には「カジュアルな会話とかで”元大統領”って言いたい時」に、気楽に使ってあげても OK。
なぜって、短くて言いやすいですし、”former“が色々な場面で「元」としてバンバン使われる以上「なんか”former”ってカタイ言い方だよね〜。”ex”って言っとこ!」みたいな気持ちが生まれるのは、必然ですしね。
「大統領」に”last”をつけるパターン
George H.W. Bush Was The Last President To Really Get Tough With Israel
↑最後に”last”です。まあ解説は不要でしょうが、たとえば「〇〇した最後の大統領〜」というノリで、ある意味「直近の大統領」方向の話になったり。
大切なのは、いつも文脈。同じヒトとして、ネイティブの気持ちを・・・・・
Imagine!
おわり。
↑「あらゆる単語の図鑑があればな〜〜〜!!」という子羊へのオススメ。
↑いわゆる「「「文法」」」を日本語で網羅しとくならコレでOK。
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