(当シリーズは、妥当性のある完成した言語学の理論やその研究等とは一切関係なく、単に「定義に書かれている違い」からポイントをチェックしつつ、個人的な図解をシェアするものです。故に、言い切りに近い形は「正しい」ことではなく「自分の中で確信している度合いが高い」ことを意味します。あしからず。主に「Cambridge Dictionary」「Merriam-Webster.com Dictionary」「ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY」を参考に作成しております。辞書からの引用の詳細は、記事の最後にあります。)
HACKengの「イメージ・イラストで覚える英単語・フレーズ」シリーズ。
今回は「before と prior to」です。
日本語訳の丸暗記では、いつまで経っても
英語ができるようにはなりません。
イメージを掴みましょう。
(※スマホの人は右下の「INFO」から、いつでも目次が見れます)
“before”と”prior to”の違いを考えるポイントは・・・・・
“before”と”prior to”の違いは何か。
何より、”before”と”prior to”の違いを考える時に、大切なポイントとは何か。
答えは、ズバリ「”前”みたいな広い日本語から解き放たれる=それぞれの”前”とは何かまで細かく考えてあげつつ、辞書のシンプルな定義を読み解いてあげること」です。
こういうのは複雑に考えた時点で地獄に堕ちるわけですが、上記のように正しいプロセスを踏むことが、複雑に考えないということです。Imagine!
↑一緒にチェック!
違いをチェック!”before”の意味・使い方は・・・・
↑まあ、”before”の細かい解説はコチラに省略しますが・・・・・
↑この、もはや何が何だか分からなくなった(w)感も否めない図解になった、言ってみれば・・・・・
「”時間”などの方向性(流れ)と”それをどの側から見るか”が文脈によって示された上で”前”を意味する」
もっと言えば「何かが何かの前にある、という位置情報を示す(という”before”の機能が、タイムラインや物理空間という文脈で使われる)」
・・・・みたいな抽象的なイメージこそが、”before”を「前」という広い日本語で表したくなる理由です。
■ 「前」の定義(goo辞書より引用)
- 普通の状態で顔または視線の向いている方向。おもて。前方。
- 他人のいるところ。面前。
- 建物などの正面。表の方。
- その事柄に対した時の状況。
- 連続するものの初めの部分。さき。
- ㋐ある時点より前。
- 順序の先のほう。
- 身体の正面の部分。また、陰部。
- 前歴。特に、前科。
- 正面の庭。前庭。
- 神の御身。神を直接指すのを避けて付ける語。
- 神・貴人を敬っていう語。
- 「前神」の略。
- 連歌・俳諧で、前句のこと。
- 女性の名の下に付いて、尊敬の意を表す。
↑日本語の「前」の定義を簡単に調べると、これだけの意味が出てきますが・・・・・それと同じ。
“before“は英語において、日本語における「広い意味での”前”」みたいな、そういう立場にあるということ。
“before”の例文から、使い分けをチェック!
43 Outrageous Desserts You Need To Eat Before You Die | The Ultimate List
■ “before”の定義(抜粋)
: earlier than the time that
→例:call me before you go
: until the time that
→例:miles to go before I sleep
↑たとえば「〜より早く(earlier)」だろうが「〜まで(に、ずっと)(until ≒ up to)」だろうが、どちらも「タイムライン上で”前”にある、という位置情報は変わらない」から、”before”で表せる・・・・・みたいな!
違いをチェック!”prior to”の意味・使い方は・・・・
↑対して、辞書で”prior to“を調べると・・・・・・・「“before”だけど?(^ ^)」などと解説されてしまうやつ。
(↑ちなみに。)
ただ、これは辞書という便利グッズの性質上、仕方のないこと・・・・・・・
■ “prior”の定義(adjective)
coming before in time, order, or importance:
(引用:Cambridge Dictionary)
: earlier in time or order
: taking precedence (as in importance)>
↑・・・・・でもありますが、もっと深く知るためには”prior“を調べるべきです。”to“は、この”prior“というワードの感覚を前置詞的に使いたいために、付いているだけなので。で・・・・・
(↑「”to”が選ばれる理由」の参考。)
つまり。
「”prior“は”時間・順序・重要性”という、順序の情報を表すもの」であり・・・・・・
それが「単に”何かが何かの前にある”という位置の情報を表す”before“の機能に含まれるから、定義が”before”で解説されていた」ということ!
“prior to”の例文から、使い分けをチェック!
↑まあ簡単な図にすると、こういうことです。(色や形に意味はありません)からの・・・・・
Europe Prior to World War I: Alliances and Enemies I PRELUDE TO WW1 – Part 1/3
↑たとえば「第一次世界大戦”前の”ヨーロッパ」とか。すなわち・・・・・・
but in order for the initial weeks of the war to make more sense…. we’re doing these prelude to war episodes to give you a little background……
↑動画冒頭から少し引用すると「このシリーズでは第一次世界大戦を見ていくわけだけど、最初のほうの出来事を分かりやすくするために、戦争への”プレリュード“から始めよう」という内容から・・・・・
ただ単に「前」というよりは「大戦に”至るまでの”ヨーロッパ」とか「大戦”に先立つ”ヨーロッパ」という意味での、”prior to“というタイトルだ・・・・・みたいな!
How to warm up prior to swimming (Matt Taylor) Speedo Advisors – Presented by ProSwimwear
↑「泳ぐ”より先に”ウォームアップしようね」という、順番を言っている以上に「大切だよ?」みたいな気持ちをも一緒に伝えるノリとか。
“prior to”は”before”よりフォーマル?
まあ「“prior to”は”before”よりフォーマルなワードだ」とも言えますが、別に「正確な言葉を好む状況(=フォーマルな状況)」だけでなく、「正確な言葉を好む性格」によっても使えるので、そこは勘違いのないようにしたいですね。
そういうのは全て、日本語と同じように考えてあげましょう。たとえば、プログラマーの好む言葉は、特に言葉を選ばない人にとってのフォーマルな、堅苦しい言葉となるように。
ついでに言うと、ここは”before”と同じ
https://hackeng.com/english-expression-time/
↑ちなみにですが、”before”で定義されている以上、この「その時点(期限)を含む?含まない?」というポイントは、とりあえず”before”と同じ扱いだと思ってあげれば OKでしょう。
大切なのは常に文脈。ということで・・・・
Imagine!
おわり。
↑「あらゆる単語の図鑑があればな〜〜〜!!」という子羊へのオススメ。
↑いわゆる「「「文法」」」を日本語で網羅しとくならコレでOK。
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辞書からの引用の詳細
本記事には、Cambridge DictionaryおよびMerriam-Webster.com Dictionaryからの、定義又は例文の引用が含まれます。
- “Prior.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/still. Accessed 14 Jun. 2021.
- “Before.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/before. Accessed 14 Jun. 2021.
- “Prior.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/prior. Accessed 14 Jun. 2021.
- “Prior to.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/prior%20to. Accessed 14 Jun. 2021.
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