(当シリーズは、妥当性のある完成した言語学の理論やその研究等とは一切関係なく、単に「定義に書かれている違い」からポイントをチェックしつつ、個人的な図解をシェアするものです。故に、言い切りに近い形は「正しい」ことではなく「自分の中で確信している度合いが高い」ことを意味します。あしからず。主に「Cambridge Dictionary」「Merriam-Webster.com Dictionary」「ONLINE ETYMOLOGY DICTIONARY」を参考に作成しております。辞書からの引用の詳細は、記事の最後にあります。)
HACKengの「イメージ・イラストで覚える英単語・フレーズ」シリーズ。
今回は「since と ago」です。
日本語訳の丸暗記では、いつまで経っても
英語ができるようにはなりません。
イメージを掴みましょう。
(※スマホの人は右下の「INFO」から、いつでも目次が見れます)
「現在完了」→「〜年前からずっと」→”since”+”ago”?
(2021-6/11:肝心の「併用できない」に関する部分で誤解を生む表現になっていたため、主旨が分かりやすいように記事を修正しました。)
「〇〇年前からずっと〜〜〜〜(現在完了)」って言いたいけど「〜からずっと」は”since”だったよな?・・・で・・・「〜年前」の”ago”とくっつけて・・・・”since 〜 years ago”かな・・・????
と思った全ての人へ。
「”since”(〜以来)と”ago”(〜前)は併用できません。」と言い切りたいパターン
(詳しい解説は最後のほうにあります!)
結論から言って、いわゆる「〜以来、〜から」を表す”since”と「〜前」を表す”ago”は併用不可。一緒に使えないものです・・・・・・
と言い切りたいのは、“since 3 years ago.”みたいに、”since”と”~ ago”の間に何もない場合です。で、「言い切りたい」とはどういうことかというと、カジュアルな会話の中とかであれば別に使えるだろうし、ネイティブも人(特に年齢or国)によっては違和感を感じないかもしれないし、間違ってないと言えばそれはそうだけど、学習者としては、基本的にそういう使い方はしない方向で学んでいったほうが良さげなパターンだということです。
というわけで、いつも通り「普通に定義を見た上で、複雑に考えるのをやめること」に取り組んでいきましょう。「複雑に考えるのをやめる」というのは「日本語訳→英単語→英文」という構造的におかしめなプロセスとオサラバする、という意味です。
それでは、パパッと解説いっちゃいましょう!!!
(「何が異常なの?」みたいな話はサイト全体で常に解説しているので、ロードマップタグの記事などから、どうぞ。)
違い・使い分けをチェック!”ago”の定義を見てみよう
↑まず”ago”の定義がコチラです。“from/than the present(time)”で「現在から/より」と書かれていますが、それに効いているのが“back in time”だの”earlier”だのになっていることに注目したいですね。単純に「過去の」を表すものとしての”time before”とか”in a period before the present”みたいな話ではなく、です。
“ago”の例文をチェック!
He left the house over an hour ago.
The dinosaurs died out 65 million years ago.
Long ago/A long time ago, there lived a girl called Cinderella.
(引用:Cambridge Dictionary)
↑つまり「1時間前」でも「6,500万年前」でも「ずっと前」でも・・・・・その心は、全て「現在から数えて」みたいな話だということ。
↑なので図示しておくと、こんな気分で使うものが”ago”なわけです。(この図を、最後に”since”と比較します。)
(↑ちなみに語源なら、away+go(=ここじゃないどこかへ離れる感)だったり。からの「現在から過去を見る視点」感は納得ですね。)
違い・使い分けをチェック!”since”の定義を見てみよう
■ “since”の定義
from a particular time in the past until a later time, or until now:
(引用:Cambridge Dictionary)
: in the period after a specified time in the past : from a specified time in the past(preposition)
: from the time in the past when(conjunction)
↑対して今回の、いわゆる「〜以来」を表す”since”は前置詞・接続詞であり、こんな感じの定義。Cambridge Dictionary大好き。“from〜 until〜”なので、つまり「〜から」だけでなく「〜までずっと」まで含めて”since”だということです。
(まあ Merriam Websterの“in the period after a specified time”は必然的に”until a later time, until now”って意味だし、”from”自体が「〜から(ずっと)」なわけですが、やっぱ Cambridge Dictionaryが好み。)
“since”の例文をチェック!
↑なので、コチラでもまとめたように・・・・・
HE HASN’T WASHED HIS HAIR SINCE HE WAS BORN! YOU’LL BE SURPRISED TO KNOW WHY
↑「生まれて”から(以来、このかた)”髪を洗ってない」とか・・・・
Dwayne Johnson Eats Candy for the First Time Since 1989
↑「1989年以来(=から今までの期間において)、初めてキャンディ食べた」とか。そういう話に使えるのが”since”です。
↑図にすると、こんな感じですね。過去にピンを置いて「そこから、ず〜〜っと」というノリで話すわけです。
いわゆる「現在完了」で”since”と”ago”が一緒に使えない理由まとめ
↑というわけで。2つの図を見比べてみてください。別に「現在完了の感覚は〜〜!!」とアプローチしても良いですが、そういう「「「「文法」」」」を抜きにして考えても・・・・・
“since”と”ago”自体を絡ませると 明らかにバッティング(視点がごちゃごちゃ)してしまうことが分かりますね。「え〜と・・・・現在から過去の特定の時点を見てるの?過去から現在までの期間・継続なの????どっち〜〜〜〜〜!?!?!?」みたいな。
日本語訳から出発して考えることの弊害ここにあり、という感じですが・・・・・
要するに”since 5 years ago”だとなんかアレだから”since 〇〇 5 years ago”と言っておこう
「”since”と”ago”は併用できないの?」という質問に対する答えとしては・・・・
“since 5 years ago”だとなんかアレだから”since 〇〇 5 years ago”と言っておこう。
ということになります。
つまり「〜年前からずっと」と言いたければ下で解説している通り”for”で言い換えつつ、どうしても「〜年前=”~ years ago”」という感覚+「〜からずっと=”since”」を使いたい時は「〜年前の〇〇からずっと=”since 〇〇 ~ years ago”」と言っておくのが吉。
図示して解説したバッティングしている感覚の間に「旅行」とか「イベント」みたいな具体的な何かをかますということです。“since the festival 5 years ago”みたいに。
“since 5 years ago”は「なんかアレ」レベルなので、言えないわけではないけど・・・・・
というところで、最初にカジュアルな会話としては別に「併用できない」と言い切るべきほどのものでもない、みたいなことを書きましたが・・・・
その”since 5 years ago”は、おそらく基本的に”for”で「〜年間ずっと」と言い換えられる、あるいは”since the festival 5 years ago”みたいに具体的に言い換えられるものだから、そうするのが「正しい」けど、皆めんどくさいだろうし伝わらないわけではないから違和感もそんなにない(かもしれないし、かもしれなくないかもしれない(人とか状況による部分も無視できない))
・・・・という話だったわけです。
「〇〇年間ずっと」が表せる”for”で言い換えたり
I HAVE BEEN HIDING THIS FOR YEARS..
↑で、ここらへんの記事でも解説した通り・・・・そもそも”since”を使いたい「〇〇からずっと」ではない「〇〇年間ずっと」方向の現在完了の話なら、”for”という単語があります。
「え〜〜、でもやっぱり”〇〇年前からずっと〜〜”のほうがシックリくるから、そのまま言いたいな〜〜〜〜・・・・」
・・・・みたいな気持ちとは金輪際オサラバするか、上に書いたような感じで適度に対処しておきましょう。
1文の中の些細な違いより、文と文をつなげて、全体的に論理的な話をすることのほうが100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000倍大切ですし、そっちのほうを鍛えていきたいですね。1恒河沙倍です。
おわり。
↑「あらゆる単語の図鑑があればな〜〜〜!!」という子羊へのオススメ。
↑いわゆる「「「文法」」」を日本語で網羅しとくならコレでOK。
(同じカテゴリの記事をもっと見るならコチラ)
辞書からの引用の詳細
本記事には、Cambridge DictionaryおよびMerriam-Webster.com DictionaryおよびCollins English Dictionaryからの、定義又は例文の引用が含まれます。
- “Since.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/since. Accessed 11 Jun. 2019.
- “Ago.” Cambridge dictionary, Cambridge University Press, https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/ago. Accessed 11 Jun. 2019.
- “Since.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/since. Accessed 11 Jun. 2019.
- “Ago.” Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster, https://www.merriam-webster.com/dictionary/ago. Accessed 11 Jun. 2019.
引用箇所では省略して、辞書名をアンカーテキストとした該当URLへのリンクのみを明示しています。